当ブログではNPBの一球速報(PbyP)データを解析し、WAR(pWAR)評価を行っている。
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本記事ではpWARの計算方法について簡単に解説する。
打撃評価
-
wOBAをベースに打撃評価を行う。wOBAの算出式は以下の通り。
- 平均的な打者と比べて創出した得点(wRAA)は
- 続いてパークファクタ(PF)補正を行う。各球場のwOBA PFをもとに選手の補正値を決定する。計算式は以下の通り。
*各球場のPFは直近3年の平均値を用いる。
- 得られたPF値を用いて、wRARを補正する。
- 最終的に打撃WARは
走塁評価
- 進塁得点(UBR)、盗塁得点(wSB)、併殺回避得点(DPAR)をベースに走塁評価を行う。
- UBRの算出方法については以下サイトを参照されたい。
(外野手の肩評価に関する内容だが、走者の進塁評価と外野手の肩評価は表と裏の関係にあるので算出方法は同じである。)
当ブログでは19-21年の進塁データから平均的な走者の進塁確率を求めている。
- wSBの計算式は以下の通り。
- DPARの計算式は以下の通り。
~計算の前提~
*併殺機会は「0死または1死」かつ「一塁上に走者がいる(一三塁, 満塁は除く)」かつ「内野ゴロ(犠打除く)」のとき
*併殺の得点価値は0.52点
*一塁走者の走力は考慮しない
Table.2に併殺起点別の併殺成功率を示す。併殺起点によって併殺の難易度が異なるため、DPAR計算時はこれを考慮する。
- 最終的に走塁WARは
守備評価(内外野手)
- 守備範囲得点(RngR)、併殺奪取得点(DPR)、外野手肩得点(ARM)、失策抑止得点(Err)をベースに守備評価を行う。
- 各指標の算出方法については当ブログの過去記事を参照されたい。
- 最終的に守備総合得点(TZR)と守備WARは
守備評価(捕手)
当ブログではストライク境界付近のストライク率を"打者の利き手"、"投球コース"、"投球カウント" ごとに集計(Table.3参照)し、リーグ平均との比較評価を行う。
得点換算の際は、投球カウントによるストライク得点価値の違いを考慮する。(参照元:カウント別のストライク得点価値)
- Blockingの算出式は以下の通り。球種によりブロッキング難易度が異なるため、これを考慮する。
*球種別に計算を行う
*暴投の得点価値は-0.16点 - 盗塁阻止得点(ARM)はwSBと同様の計算式を用いる。
- 失策抑止得点は(Err)は内野プレー失策に加え、捕逸も考慮する。
- 最終的に守備総合得点(TZR)と守備WARは
投球評価
- tRAをベースに投球評価を行う。tRAの算出式は以下の通り。
- 平均的な投手と比べて防いだ失点(RSAA)は
- WARはリプレイスメント・レベルとの比較なので、リプレイメント・レベルと比較したときの失点抑止量(RAR)を求めると、
- 続いてパークファクタ(PF)補正を行う。各球場の本塁打PFをもとに選手の補正値を決定する。計算式は以下の通り。
- 得られたPF値を用いてRARを補正する。
- 最終的に投球WARは
総合評価
- 最終的に総合評価pWARは
*投手の打撃WAR、走塁WAR、守備WARは0とする。(二刀流除く)