ぼーの の日記

セイバーメトリクスとか

Appendix集

先発と救援の難易度差を補正する。

考え方や分析手法はこちらの記事を参照する。

この記事の分析によれば、先発と救援のtRA差はおよそ 0.93 である。これを100球あたり換算すると(1試合あたりの投球数はおよそ147球(22年NPB)なので)、0.63 点/100球 となる。・・・①

ここで、先発投手の100球あたりのPitchValue(PV/100)の平均は-0.091、救援投手のPV/100 の平均は0.130である。・・・②

①と②を用いて、平均的な救援投手を先発起用したときのPV/100は、 0.13-0.63 = -0.50 と求まる。平均的な先発投手を先発起用したときのPV/100は、-0.091である。よって、投手陣全体が先発起用されたときのPV/100は、投球イニング割合(先発62%、救援38%)で加重平均すれば、-0.091 * 0.62 + -0.50 * 0.38 = -0.246となる。同様の計算を救援起用についても行うと、0.539 * 0.62 + 0.13 * 0.38 = 0.384となる。

以上より、先発投手の偏差値を計算する際の平均値は 「リーグ平均 - 0.248」 とし、救援投手は 「リーグ平均 + 0.384」とすることで、難易度差を補正することとした。

* Pitch Valueのリーグ平均は原則0である。

 

★2023.04 追記

上記は投球全体における分析結果である。同様の分析を球種別に行うと、カーブとオフスピードボール(フォーク、チェンジアップ)は、先発と救援でほとんど差異がないことがわかってきている。まだサンプル数が足りないため、ここでは詳細について述べないが、暫定的にカーブとオフスピードボールの補正値は0(≒補正しない)とする。それ以外の球種については上記の補正を適用する。

ある程度信頼できるサンプルサイズを確保できた段階で、補正値をアップデートする予定。

Attack Zone (Attack Region) について

Tom Tangoより提唱された投球ゾーンの分割方法*1。以下の4つのゾーンに分割される。


こちらのページに各ゾーンの詳細な寸法が記載されているが、NPBの投球プロットデータは手入力によるものであり、スケール感が若干異なるため、このまま適用できない。投球割合やスイング率、Zone%を参考にしながらゾーンの微調整を行っている。

Table.1 2022年 各ゾーンの指標