ぼーの の日記

セイバーメトリクスとか

各球団の救援起用を可視化してみる - 2023年 前半戦 -

本稿では、play-by-play データ(一球速報データ)から得られる情報を整理し、各球団の救援起用について可視化を試みたので紹介する。

72試合消化した時点でのデータを用いる。なお、データは独自に集計しているため、公式記録と若干誤差があることをご理解いただきたい。

救援登板数と連投率

Fig.1に各球団の救援登板数を示す。NPB平均を大きく上回ったのは、巨人、ソフトバンク楽天の3球団。一方、平均を下回ったのは阪神DeNA、広島の3球団だった。

Fig.1 各球団の救援登板数

救援登板数と先発投球回数には強い相関がある。(Fig.2 左図)そんななか、ヤクルトはこの相関から大きく逸脱している。先発がイニング数を消費できないなか、ロングリリーフ起用で救援陣の登板数を減らそうとしていたことが伺える。

また、先発投球回数は先発失点率と比較的強い相関がある。(Fig.2 右図)巨人、オリックスはこの相関と乖離があり、好投している先発も早めに降板させる傾向があるようだ。

Fig.2 救援登板数と先発投球回

続いてFig.3に各球団の救援連投率*1を示す。NPB平均を大きく上回ったのは巨人、ソフトバンク、中日の3球団だった。一方、平均を下回ったのはオリックス、ロッテで、他球団と比較しても突出した低さである。

Fig.3 各球団の救援連投率

救援登板数と連投率でプロットしたFig.4に示す。Fig.2のような強い相関は見られず、ベンチの特徴が表れやすい傾向となっている。オリックス、ロッテは相関から大きく逸脱しており、連投率を抑えるような投手管理に徹していたことがうかがえる。

Fig.4 救援登板数と連投率

救援起用バブルチャート

選手別にさらに可視化してみよう。広島を例に可視化したグラフをFig.5に示す。横軸は失点抑止力を表し、右に行くほど失点抑止力が高いことを示している。縦軸は登板局面の重要度を表しており、上に行くほど重要な局面であることを示している。さらにプロットの大小で登板数を、プロットの色合いで連投率を表現している。

Fig.5 救援起用チャート(広島)

以下、各球団の救援チャートを示していく。やはり目を引くのはロッテ。(全体的に救援投手のレベルが高いので、起用に余裕があることも寄与しているだろうが、)連投率に配慮したベンチの徹底的な投手管理がみてとれる。

Fig.6 救援起用チャート(阪神

Fig.7 救援起用チャート(DeNA

Fig.8 救援起用チャート(巨人)

Fig.9 救援起用チャート(ヤクルト)

Fig.10 救援起用チャート(中日)

Fig.11 救援起用チャート(ソフトバンク

Fig.12 救援起用チャート(ロッテ)

Fig.13 救援起用チャート(ロッテ)

Fig.14 救援起用チャート(日ハム)

Fig.15 救援起用チャート(楽天

Fig.16 救援起用チャート(西武)







*1:連投率:全救援登板のうち、2日連続で登板した試合の割合