ぼーの の日記

セイバーメトリクスとか

内野手RngRの信頼性

一球速報により測られる内野手のRngRの信頼性について「折半法」を用いて調査を行った。「信頼性」や「折半法」の概要についてはBaseball Concrete氏の記事を参照いただきたい。

調査対象は2019-2021年の守備イニング700以上の内野手。当該内野手の1シーズンの守備責任打球を奇数番目と偶数番目の二つグループに分け、それぞれのアウト獲得率を算出し、その相関を確認した。結果をTable.1に示す。

※ n はサンプル数を表す。信頼性はスピアマン・ブラウンの公式*1より算出している。タンゴ定数とはタンゴの回帰式*2の定数項のこと。

Table.1 内野手RngRの信頼性
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相関係数は0.15〜0.25とかなり弱い相関。信頼性で見ても0.25〜0.40と低く、運によるノイズが大きいことを示唆している。

信頼係数0.7以上が信頼性のある指標としての1つの目安となる*3が、タンゴの回帰式より推定される3シーズンの信頼性は遊撃手以外0.7に届いていない。

UZRやDRS(映像解析指標)の場合、「選手の守備能力を測るには3年分のデータが必要」とよく言われるが、TZR(一球速報解析指標)では(遊撃手を除き)もう少しサンプル数を確保する必要がありそうだ。